2021年8月11日
「白河QOL向上プロジェクト」~R3年度調査~
2022年12月26日公開
日本は世界に先駆けて超高齢社会となりました。国民の目標は、単なる延命ではなくQOL (自立して生き生きと生活できること)を維持することに変わりました。このような背景で、白河市と白河厚生総合病院、京都大学が共同して白河QOL向上プロジェクトは2020年に開始され、60~75歳の白河市民約3,600名がご参加されました。2年目となる2021年には対象を拡大し、76歳以上も含めた約6000名の住民の皆様にご参加いただきました。
参加された皆様の健康状態、生活習慣について以下のようなことが分かりました。
(回答者は日常生活を支障なく過ごされている方が多く、かつ本事業に同意をした健康意識の高い方であることに留意をして、慎重に結果を解釈する必要があります。)



● QOL
本プロジェクトでは住民の皆様のQOLを毎年評価しています。QOLとはからだや心の変調のために、いつもの仕事、家事、 お付き合いなどがどの程度妨げられているかを数字で表したものです。 これまでに以下のようなことが分かってきました。



● 運動機能セルフチェック
本プロジェクトでは「運動機能セルフチェック(自分自身でチェックする)」という取り組みを行なっています。運動機能の低下は将来の要介護や寝たきりリスクにつながります。運動機能をご自身でチェックし、早期にリスクを発見し、早期に対処できるような仕組みを目指します。
この取り組みから以下のようなことが分かってきました。

片足立ちをしたまま浮かした足を動かすという、より高度なバランス能力が必要となる運動です。
この運動が10回できる人に比べて、全くできない人はその後1年間で転倒する危険性が3倍以上になるという結果でした。

サイドブリッジというお尻の横側にある筋肉や腹筋を使う運動で、歩いたり、階段の昇り降りをする際に左右へふらつかないよう安定させるために必要な筋力です。
1年間でこの運動が改善すると身体的QOLが低下しにくく、精神的QOLが改善しやすくなることが明らかになりました。