実績

第四回 臨床医のアカデミックキャリアの作り方

日時 2021年02月07日
場所 オンライン
1人、、「ERSITY OF UNIV CA 3H1 LET CU R LIGHT NIA THERE THEREBE BE 1868」というテキストの画像のようです

Richard Kravitz 教授[カリフォルニア大学 医学部 総合内科学 教授/Journal of General Internal Medicine 前編集長]を特別ゲストに迎え、アカデミックキャリアを築きたい臨床医のためのセミナー

【開催主旨】
 臨床医がアカデミックキャリアを築くには、一旦職場を離れ、大学院に入り、主に基礎研究をする、というパスウェイしか現実的にはこれまで選択肢がありませんでした。これは、タイミングの差こそあれ、世界的にも同様な実情でした。しかし、臨床医の関心と大学院での基礎医学研究とが必ずしもマッチしないことがあり、また臨床の技術(特に外科系)が落ちることの不安もあり、二の足を踏む方も少なくなかったと思います。

 近年(北米では約40年前から、日本ではつい最近)、異なるパスウェーが可能になってきました。その1つが臨床研究、パブリックヘルス研究です。この領域は、臨床医の現場感覚やリサーチ・クエスチョンと親和性が高く、臨床医の心理的なハードルがかなり低くなります。また、近年、優れた遠隔学習プログラムが提供され、働きながら臨床研究のリテラシーやコンピテンシーを習得することがある程度可能になってきました。国際的な一流大学の学位取得も可能なプログラムさえあります。

  一方で、単なる座学だけでは、臨床研究を可視化し発信するようになる事は困難であることも冷厳な現実です。実際のデータを活用した実践演習が必須となります。また研究のためにプロテクトされた時間や指導者も重要です。

  今回のセミナーでは、特に、臨床実践と臨床研究を同時に行うことにどのような意義があるのか、可能なのか、そして具体的にどのように行うのか?などの臨床医が抱く疑問に関して、各界の専門家が解説し質問に答えます。また受講者ご自身が参加し自由討論する時間も設けます。

 北米の総合内科講座の教授としてアカデミックGPの育成に注力し、総合内科のトップジャーナルである Journal of General Internal Medicine の編集長を長年務められたRichard Kravitz 教授、内科医としての経験の後、日本で20年に渡り臨床医の研究人材育成に取り組んできた福原俊一教授(京都大学)、濱口杉大教授(福島県立医科大学)や、具体的に両方を修練するプログラムを5年間運営してきた宮下 淳講師(福島県立医科大学)らが自らの経験談を披露し、フレンドリーな雰囲気の中で質疑応答や自由討論の場を提供します。

【主催】
福島県立医科大学 白河総合診療アカデミー

【共催】
福島県立医科大学 総合内科学、臨床研究イノベーションセンター
京都大学大学院 医学研究科 地域医療システム学 臨床疫学グループ
認定NPO法人 健康医療評価研究機構

【日時】
2021年2月7日(日)10:00~14:00

【プログラム】
総合司会:竹島 太郎
[福島県立医科大学 白河総合診療アカデミー 准教授]

第一部
臨床実践と臨床研究はどのような関係があるか? 
司会:鈴木 龍児
[福島県立医科大学 白河総合診療アカデミー助手]

1.「The Yin and Yang of clinical care and clinical research」
 Richard Kravitz
 [カリフォルニア大学 (UC Davis) 医学部 総合内科学 教授、Journal of General Internal Medicine 前編集長]

2.「内科の再統合と臨床疫学の勃興は、歴史的に同源である」
 福原 俊一
 [京都大学特任教授/福島県立医科大学副学長/Johns Hopkins大学客員教授]

3.「総合内科医の臨床研究を盛り上げたい!」
 濱口 杉大
 [福島県立医科大学 綜合内科学 教授、同 臨床研究イノベーションセンター副センター長]

4.質疑応答と自由討論

第二部
臨床実践と臨床研究の両立をどう実現するか?:日本での取り組み
司会 前原 和平
[白河厚生総合病院名誉院長、白河総合診療アカデミー客員教授・センター長]

1.「専攻医が臨床実践と臨床研究を同時に学ぶことの実施可能性と意義:白河総合診療アカデミーの5年間の実績に基づく考察」
 宮下 淳
 [福島県立医科大学 白河総合診療アカデミー講師、副部長]

2.「総合内科専攻医が、自分自身のリサーチ・クエスチョンをもとに研究を開始し、英文原著論文が受理されるまでの道」
 矢野 徹宏
 [福島県立医科大学 白河総合診療アカデミー元専攻医、救急医療学講座助手]

3.「臨床研究フェローシップ: アカデミック・ジェネラリストを育成する本格的な臨床研究修練プログラム-プログラム紹介と初代フェローの経験」
 藤井 浩太朗
 [福島県立医科大学 白河総合診療アカデミー 臨床研究フェロー]

4.質疑応答と自由討論

第三部
参加者も交えた自由な意見交換の場 (各自軽食しながら)
モデレーター:白河総合診療アカデミー教員、関係者全員